●ボキャリンとは
ボキャリンとはボキャブラリーリンク (Vocabulary Links)のこと。
自分で作った単語帳を友達に送ったり、友達が作った単語帳を受け取ったりして、誰かとリンクしながら語彙を増やせる!みんなと一緒につくっていくアプリです。
(1) 教科書や参考書を見ながら試験範囲の英単語をアプリに登録。
(2) 心理学的に正しい学習方法で記憶を定着。
(3) あれ?試験の成績が…!
(4) 登録した単語を友達と共有。
●もともとは、ある高校生専用の非公開アプリ
数学と生物にパラメータを全振りしていたのに、どういうわけか英語メインで合否が決まる大学を受けることになってしまってさあ大変。
模試を受けるたびに英語の成績はドン引きする結果で、D判定の繰り返し。
どうやらその原因は絶望的なまでの語彙不足。
そんな高校生の悲惨な状況を見かねた父が、手っ取り早く我が子の語彙を増やそうと開発し、首都圏のとある医学部の合格に導いた実績を持つアプリです。
それを今ここに公開しましょう。
●我々には時間が無いのです
このアプリの初版を作り始めたとき、受験日まではあと1年ほど。ゲーム性を盛り込んで、勉強する気を出すための仕組みを付けよう、などと言っていられる余裕は全くありませんでした。
そこで、やる気があることは大前提で!とにかくシンプルに!時短で貪欲に語彙を増やせるように作りました。やる気がある人向けの決戦用アプリです。
●とにかくシンプルに
第1使用者(「ある高校生」のことですね)の要望で、アプリはシンプルな設計で作ることになりました。
だから、単語帳アプリが持っていても良さそうなステキ機能の多くは省略。
例えば、「単語の品詞(名詞、動詞…)を表示する機能を付けようか?」と尋ねたところ「いらん」ということだったので付けていません。
「単語グループをフォルダ別に構造化して整理する機能は?」「いらん」
「全問正解するとファンファーレが鳴ってわーっと派手に」「いらん」
「えーと」「いらん」
ということだったのでとにかく付けていません。
それでも大学には合格できたので、そういった機能は「いらん」かったのでしょう。
時間が足りなくて、機能があったとしても使いこなす余裕が無かったということだったのかもしれません。
註※ ヒント機能を使うと品詞の判別は(ある程度)可能。
註※※ 非公開版はいくらなんでもシンプル過ぎたので、この公開版にはいくつかの便利機能を追加してあります。
●シンプルですが心理学的に妥当です
ちなみに開発者(父)は心理学者なので、アプリの設計には記憶心理学の知識を応用した部分が含まれています。
優れた単語学習アプリは既にいくつもリリースされていましたが、心理学的に妥当な学習方法を確実に実践するには、新しくアプリを作ってしまうのが手っ取り早かったのでした。
といっても、心理学者だけが知っている摩訶不思議な秘技が仕込まれているとかいうことはなく(そもそもそんなものは存在しない)、短期記憶に情報を出し入れするだけの非効率的な暗記であるとか、再認記憶を確認するだけの片手落ちの学習であるとかに時間を取られないように、ちょっとした工夫をしているだけです。
註※ という話を第1使用者にしたところ「十分に摩訶不思議な秘技だろ」と言われましたが…
●再認記憶にごまかされないこと
Conjectureの意味を答えよ、と問われたとき、「えーっとぉ…推測!」などと答えることを記憶心理学では「再生」と言います。
Conjectureの意味は「会議」「希望」「推測」「嫌悪」のどれか、と問われたとき、4つの選択肢を見ながら「えーっとぉ…推測!」と判断することを「再認」と言います。
どちらの場合も「えーっとぉ…推測!」と意味を思い出しているのですが、再生に比べると再認はずっと簡単です。正解である「推測」は選択肢の中に示されていて、自分でやっているのはそれに見覚えがあるかどうかの判断だけだからです。
しかし再生の方は、「推測」という意味を、記憶の中から自力で引っ張り出してくる必要があるので、よりしっかりした記憶が必要です。
再認ができると、単語を覚えられているような気分になってしまいがちです。しかし入試で要求される英単語の記憶は、再認ではなく再生のレベルの記憶のことが多いでしょう(英文読解など)。
そこで、このアプリを設計する際には、再認のレベルではなく、再生のレベルで英単語を学習することを目的としました。
●テストのためではなく覚えるための仕組み
どこかで覚えてきた英単語の記憶をテストするためのアプリではありません。
どこかでテストされるときに備えて、ここで英単語を覚えていくためのアプリです。
ただし、他の教材を使う事を否定するわけではありません。実際、第1使用者は、このアプリを含めた複数の教材を併用していました。
註※ このアプリでの学習は、なんらかの教材から単語を書き写すところから始まるので、他の教材の併用はどのみち必須です。
●「単語の登録がめんどくさい」
受験当日までの時間的な余裕が無かったので、第1使用者は凄まじいスピードでボタンをタップしながら単語を記憶していきました。アプリには英語の読み上げ機能があって、第1使用者がアプリを使っている間は、experiment, procedure, methods, apparatus, subject, participants, stimuli...と合成音声が呪文の様に流れ続けました。
そうやってアプリをゴリゴリに使い込んでいる間、第1使用者からは様々な注文があり、その都度細かく調整していきましたから、アプリには崖っぷちギリギリ受験生のニーズをいろいろと盛り込むことができたはずです。
しかし、そういった改良の繰り返しの中で、第1使用者が最後まで強い不満を示していたことがありました。単語の登録作業が面倒だというのです。
第1使用者は他の教材も併用していたので、アプリに登録した単語数はおよそ2600程度でした。単語を登録する作業そのものが英単語を学習する手順の一部なので、そこは我慢してくれと説明しましたが、確かに2600もの単語を手作業で登録するのは大変だったはずです。
●その解決策は?
もし、大学合格を目指す友人たちと協力して単語帳を作ることができたなら、単語入力の手間はだいぶ省けたことでしょうね。自分が作った単語帳をともだちにあげる。ともだちが作った単語帳を受け取る。そうやって友達と協力しながら語彙を増やしていくための共有機能を、このアプリの公開版には与えました。
これからこのアプリを使うあなたは、是非ともこの共有機能を活用して、第1使用者よりも効率的に語彙を増やしてください。
誰かが作った英単語帳を使うとなると、自分で英単語を入力しながら単語を記憶するという手順が省略されてしまいます。それを補うために、もらった単語帳を眺めながら最初の記憶を脳に刻みつけるのに便利な「単語カード機能」が、この公開版には備わっています。
●細かな機能
○どこかでおぼえたことをテストするのではなく、アプリの中でおぼえるための仕組みを用意しました。
○苦手単語を自動的に判定して重点学習
○学習に集中するためのタイマーを装備
○紙の単語カードを裏返して使う感覚で簡単学習(単語カード機能)
○合成音声で単語を読み上げ。リスニング学習の補助に
○英単語を隠して音声だけで問題を提示可能
○気になる単語にチェックを入れて優先的に学習
○符号化特定性原理に配慮したデザイン