【村上龍 歌うクジラ】評価/口コミ・レビュー [iPad]

買ったばかりのiPodで、以前からファンだった村上龍の作品が先行販売すると聞いてさっそく購入。
この作品に対する筆者の発言をネットで探していたら、本人が主催するメルマガから電子書籍化のコメントが配信されてきました。
全ては引用できませんが、ここで話題になっている文字の大きさが変えられない点については

「音楽は、基本的にページをめくる動きがトリガーとなって、６００ページを超える作品中、１０数カ所で聞こえてくる。
ページめくりが音楽開始のトリガーになっているので、文字の大きさを変えることができなくなった。
文字の大きさを変えると、ページレイアウトが変わり、音楽が聞こえてくるタイミングが違ってくるのだ。
読者に対し、その点は了解いただきたいと思う。」

とのことでした。その他の点についてもかなり綿密な打合と周囲の合意のもと、電子書籍化に至った経緯が書かれていました。

個人的には、文字の大きさについてはみなさんお書きのように、作品に耽ってしまえばさして気になりません。
むしろ効果的なタイミングでのＢＧＭを優先し「電子書籍」という新たなメディアにチャレンジするためには
こうした制限（枠組み）もメディアを規定するものとして必要なのかもしれません。

内容は現在読んでいるのでまだ触れませんが、前作「半島を出よ」並みに読み応えがあり、体力が必要です。

細かいところですが、うっすらと自然なページよごれがあるのがとても気に入ってます。

読了。
正直、小説そのものにおいて読み手の想像を超えるものがなく、残念でした。

脳のどこかが発火して読み進める手を止められなくなるようなドライブ感がなく、淡々としていて、率直に言って著者も老いたなって感じがしました。（半島を出よでもその兆候はありましたが）
100年後を題材としているのにもかかわらず、世界観が「神が細部に宿る」ほど十分に構築されていないから、それがメタファーとして機能し得ていないと思います。
ただのデストピア小説やSFが読みたいだけなら他にもっと優れた作家さんがいます。

経済に定住されてから「情報」の質が落ちた気がしますが、こう書くと今作の最後のメッセージにリアリティを感じますね。

ちなみに「電子書籍」としては全くストレスなく読めました。アニメーションも音楽も素晴らしいです。強いて挙げればUIがいまいちですかね。解像度が足らず長時間読書に耐えられないのはデバイス（iPad）の問題なので仕方ない。

以上、群像で初回だけ読んで期待が高かっただけにネガティブな評価ですが、もっとマクロな視点から相対評価すればとっても優れた作品で、ぜひ多くの人にオススメしたいです。
だから☆5つ♩

５月の後半にiPadが日本で発売されてから、わずかな期間で発表されてる訳です。
こういう形で発表される著作が今後出てくる事を、日本の書籍業界に対していち早く警鐘を鳴らす為、少なからずトレードオフされた項目はあるでしょう。
ビューワーの不十分さばかりを指摘してる方々、そこに想像力を働かせる事はできませんか？
縦書きに対応していない事で批判されている方々、普段のWeb閲覧も縦書きでお読みですか？
出版社を経由せずに出てきた事の意義を少しでも評価したらどうでしょうか？

時間と共に解決できる事を目くじら立てて批判されている方々の許容範囲の狭さに辟易しましたが、
今後、こういう形で発表されていく著作を心から応援していきたいと思います。

他の誰でもなく、村上龍という作家が真っ先にこの新たな試みをこのような形で行ったことが嬉しい。

レビューを見ていると、やはりこの国にはチャレンジする者の足を引っ張る風潮のいかに強いことか。
縦書きじゃないと読みづらいなどということは全くない。
むしろ端末では横書きの方がしっくりくるし、第一ここまで良く練られたパッケージとしての作品、横書きであることもまた表現のうちであろう。重箱の隅をつつく以前にその粋な心を読み取ってほしい。

これからも氏にはチャレンジングであり続けてほしいと思う。

「神曲」や「ファウスト」のような、壮大な物語構造をもった作品。
「電子書籍時代の神話」とでもいうべきか。

ただし、地獄、煉獄をたどり、最後にハッピーエンド（救済）が待っている「神曲」の予定調和的な世界観とは全く異なり、本作品で描かれているのは、精神の病にむしばまれ、絶望と閉塞感にうちひしがれた世界。
エンディングに示されたのは、かすかな希望？それとも諦念？

とてもフェティッシュで、眼前に映像が浮かんでくるような緻密な描写に圧倒される。
坂本龍一の音楽が秀逸。

初代iPadからインストールしてました。途中で、内容がつまらない箇所があり、放置してましたが、
再び、読み始めて、その峠を越すと面白さが次第にわかるようになり、村上龍という作家は、実に
論理的で、画家独特の表現力があるなあと感銘を受けました。ラスト辺りは、伝えたいことが、
明確で、終わり方もよかったです。また、画面が大きいので、乱視が入っている自分には、
非常に読みやすかったです。坂本龍一の音楽もあって、iPadならではの楽しみがありました。

電子書籍の可能性を見せつけられた作品です。
物語が素晴らしいことは言うまでもないのですが（というか、読んだ人によって考え方は違うでしょう）
特に、「この物語の世界観」と「電子書籍を読む」という行為そのものが、ものすごくマッチしていて、
普通に本を読むのとは、全然違った体験です。
要所で流れる音楽とのコラボレーションも鳥肌。

うーん、上手く言えない。
こればかりは上手く言葉では説明できないので、一度読んでみることをおすすめします。

村上龍さんチャレンジャーだなぁ！もし龍さんがやらなくても遅かれ早かれ誰かがやるだろうが、著名でメディアにも露出の多い龍さんがやったことの功績は計り知れない。電子書籍の歴史に足跡を残したことは間違いない。音楽も物から情報への過渡期に先導したのは著名アーティスト達だった。(坂本龍一さんもその中の一人だ。)影響力の大きい人達が時代を動かすのだ。これから書籍の世界でも必ず変革が訪れる。

iPhoneでソッコー買いました。
iPhoneであの大容量を持ち運べていつでも読めるなんて最高だよ。
横書きも全然違和感ないし。
坂本龍一のコラボもヤバイ！
象徴的なシーンで流れるあのサウンド、マジで鳥肌もんだよ。

作品もめちゃくちゃいい！
恐ろしく緻密な描写はあいかわらずキレてるし、あの世界観、想像力がハンパねーな！！

見事だよ。
既存のももっと早く出してほしいわ！

iPhone 4にも対応して本当によかったです。早く読みたくて、一時はそのためだけにiPad買おうか真剣に悩みました。

内容も裏切らない内容で、買って二日で完読しました。紙媒体だったらこんなに早く読めなかっただろう…と感じると同時に、書籍のデジタル配信の時代が来たんだなぁと実感しました。

噂では、書籍版は上下巻で各1680円とか。1500円はお得でした。

群像での連載が終了し、書籍化を心待ちにしていた矢先でした。

■本作品「横書き」について
我々の現代生活において縦書きの文章を読む習慣はあまり見当たらず
webサイト閲覧やメールまで多くの「文章」が横書きです。
未来小説の趣のある作品の性質と、氏のipadによる未来型読書の提案かと思いました。
氏の挑戦には関心と歓喜と興奮が絶えません。

まさか村上龍が飛び込んでくるとは思わなかった。周りがすすめたからだろうが、またフロントラインに立つ事になる。ハードカバーが苦手でいつも文庫化されるまで待っていたわたしには最高の購入方法。はじめて刊行と同時（より先？）に村上龍の小説に触れることになった。でも、電車の中では横持ちで読みたい。

文章を上から読むのは、普段あまり無いが意外なほど読みやすい。ページをめくる感覚も良くストレスは感じない。小説の雰囲気とiphoneでの読書は秋の夜に不思議なくらい溶けこんでいる。

再読したいのでiPad用のRetina対応をお願いします。

SF的要素は先進の知見に基づいており、ウィットに富んだ警句は彼がいまも一流の作家であることを感じさせる。

画面を上に引っ張ればいいだけですよ。まあ普通はタップするだけでメニューが出てくる仕様が多いので気付きにくいのかもしれませんね

村上龍氏の作品はほとんど読んだが、その中でもベスト3に入る面白さでした。
また坂本龍一氏の音楽もよかったです。
オススメです！

動くべき人が動いてくれた。紙に先駆けて電子出版をしたこと、音楽を取り入れたこと、1500円という価格が素晴らしい。

電子書籍でしかできない、音と文字の結びつき。
素晴らしかったです。
最後まで面白く読ませてもらいました。