「 ワードウルフ - あるある人狼 」の外国語対応版をリリースしました。日本語以外にも、英語、フランス語、中国語、韓国語で遊べるようになりました。
■外国語対応版言語力を上げる為に遊んでみたい方や、日本語が母語でない方に日本のゲームの面白さを伝える為に外国語対応を行いました。
海外の人気YouTuberに取り上げられることに
中国やフランスの人気YouTuberにも注目され、合計70万回以上再生されました。現在、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、中国、韓国からダウンロードされています。
弊社の共同代表(プーロー マリーヌ)へのインタビュー
フランスから来日して7年。なぜ彼女が東京で起業して「ワードウルフ あるある人狼」を多言語対応アプリとしてリリースすることにしたのか、インタビューしました。
――なぜ来日されたんですか?
私は、自らたくさん発言しないと良い評価を得られないフランスでの高校生活にあまり馴染めなくて、そういった性格の人たちが生き辛いフランスがあまり好きではなかったんです。そのときに日本のアニメやJPOPや任天堂のゲームで日本文化に興味を持っていたこともあって、高校卒業と同時に来日しました。
――実際に来てみてどうでしたか?
そうですね。いちばん感じたのは、日本での会話は、相手の気持ちを配慮して、「こういうことあるよね」「あるある」という共感をベースに進めることが多い、ということ。つまり、強く主張しなくても、刺激的なコミュニケーション方法以外での「伝える力」が存在するということに気付きました。フランスでは、そういう柔らかいコミュニケーションに会ったことがなかったんです。そして私が日本のポップカルチャーに惹かれた理由も、そこにあったのだと気がつきました。
私はもともと控えめで、自分を強く主張するタイプではありません。それがフランスの高校では少し異質だったんです。だから、自分の性格にあった文化としての日本に興味を持ったんだ、って。
日本文化には、相手への配慮が基本にある。自己主張をぶつけ合うだけでなく、相手を思いやりお互いの気持ちを共有して進めるコミュニケーションの手法は、私にとって良いと思う部分が多かったですし、ここには世界に広めるべきものがある、と思ったんです。
――逆に日本で困ったことはありませんでしたか?
困ったわけではありませんが、日本ではコミュニケーションが不足しがちだと感じています。例えばレストラン。フランスでは、食事を共にする相手とたくさん会話をするのが常識です。ところが日本のレストランでは、お互いにスマホとにらめっこで無言のカップルや、家族をよく見かけます。
これが、日本で交際経験のない若者が増えて少子化に繋がっている原因ではないか、と感じています。せっかく良いコミュニケーションの文化があるのだから、もっとその量も増やしていけばいいのに、って思っています。
――では、どうしていくべきでしょうか?
スマホと睨めっこしてばかりで目の前の人と会話しない、それは変だけれど、だからといって現代の私たちがスマホを手放すことは不可能だと思うんです。
実際、私の母などは「スマホ禁止」と言うことが多いのですが(笑)、それは時代の流れを考えると無理だと思うんです。
それで思ったのが、スマホで「会話」するゲームを作れないかな、っていうことなんです。スマホのゲームとして、目の前の人と「あるある!」と共感しながら楽しめるゲームがあれば良いのかな、って。
これなら、共感のコミュニケーションを楽しむゲームを世界に広められるし、日本でのコミュニケーション不足をスマホゲームが助長している現状にも一石を投じられる。そうして作ったのが、いま5ヶ国語リリースしている「あるある人狼」というゲームです。
日本と世界を繋ぎたい。これは私だけの思いではなくて、日本で出会って7年前から一緒に暮らしているパートナーとの共通する思いです。彼は日本人ですが、在日韓国人2世の父を持つハーフなので、多文化的な視点を持つという意味で、私と共有しているものが多くあります。
二人で生活しながら、お互いに日本やフランスの文化を経験して、たくさん話し合いながら見つけた1つの答えとして、会社を設立してこのサービスを始めることを決めました。まだまだ足りないことも多いので、ユーザーから教えてもらうことも多い現状ですが、これから多くの人にサービスを使ってもらって、日本と世界を繋ぐことができたらな、と思っています。